炭素繊維炭素繊維は、一般的に基材(樹脂など)と複合化された複合材料として使用されます。最終製品の形状や特性に応じて、様々な成形方法(加工方法)が用いられます。また、物性・外観の向上、成形時間の短縮などを目的として、成形方法はますます高度化しています。以下では、炭素繊維の代表的な成形方法をご紹介します。
1. オートクレーブ成形
オートクレーブとは、簡単に言えば圧力鍋です。プリプレグを成形金型に重ね、膨張フィルム(真空状態を作るためのフィルム)で覆って圧力を下げ、オートクレーブ内で加圧加熱硬化させます。この成形方法は高品質・高性能な製品の製造に適していますが、成形サイクルが長いためコストが高くなります。
2. オーブン成形
オートクレーブ成形と同様に、プリプレグを成形金型上に積層し、減圧用膨張フィルムで覆い、真空加圧下で加熱硬化させます。性能面ではオートクレーブ成形に若干劣りますが、ランニングコストが低く、大型の成形品にも対応できる成形方法です。
3. 巻き取り成形
プリプレグをマンドレル(鉄芯)に巻き付け、加熱硬化させて芯抜きする成形方法です。チューブ状やロール状の小型・中型製品の製造に適しています。三菱ケミカルのゴルフクラブやローラーは、主に巻き取り成形で生産されています。
4. 射出成形
射出成形とも呼ばれ、炭素繊維強化ナイロンやポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂原料(ペレット)を加熱溶融し、金型のキャビティ(隙間)に注入する成形方法です。機械特性は低下しますが、短サイクル・複雑形状成形に適した成形方法です。